2014年1月6日から改装のためにクローズしていたジャングルクルーズが、9月8日、装いも新たにオープンしました。
1983年4月15日の東京ディズニーランドのオープン以来、大きなな改装は行われてこなかったジャングルクルーズの初めての大規模リニューアルです。
今までのジャングルクルーズとどこが変わって、どこが変わらなかったのか、気になるその内容をご紹介していきます。
その1 看板が変わった!
まず最初に気がつくのが、ジャングルクルーズ入口の看板です。
リニューアル前は「JUNGLE CRUISE(ジャングルクルーズ)」の看板だけでしたが、新たに「WILDLIFE EXPEDITIONNS(ワイルドライフ・エクスペディション)、DEPARTING DAY & NIGHT(昼も夜も出航)」という小さな看板がその下につくようになりました。
夜のジャングルクルーズはリニューアル前もありましたが、デイ・クルーズとナイト・クルーズがありますよ、という意思表示のようですね。
その2 貿易会社の痕跡がなくなった!
東京ディズニーランドのアトラクションには、ゲストには詳しく説明されていない成立事情を設定したバックグラウンドストーリーがあります。ジャングルクルーズのバックグラウンドストーリーは、こういうものでした。
この会社はもともとは川を行き来する船を使った貿易会社だったのですが、川の流れが変わって大きな船舶が入れなくなったために貿易船の運用を断念しました。
その代わりに始めたのが、小型のボートで観光客をジャングル探検に案内するクルーズ会社「ジャングル・ナビゲーション・カンパニー」として再出発した、という設定でした。
そのため、以前はボートに乗るまでのキューラインに、貿易会社の時代を物語る物資や荷物が置かれていたのですが、今回のリニューアルでそれは一掃され、新しい設定にふさわしいものになりました。
その3 船長さんのオフィスが登場した!
キューラインから貿易会社の名残が消えた代わりに登場したのが、探検会社のオフィスです。
新たに設置されたのは、働く人のデスク、船長さんたちの休憩室、ジャングルクルーズを利用したゲストからのお便り、といったいかにもオフィスの中らしい品々。
入口のデスクの上には船長さんたちの連絡ノートがあったり、船の名前を書いたボードがデスクの下におかれていたりと、本当にここが仕事場だなという感じです。
船長さんたちの休憩室の中には、日替わりの食事のメニュー、ジャングルクルーズの航路図、野生動物が駒になったチェス盤など、船長さんたちの日常生活がうかがえる品々がいっぱいです。
雰囲気的にはスイスファミリー・ツリーハウスのいろいろな生活用具が置かれた部屋に似ていますね。
ゲストからのお便りは、壁に作られたガラスばりのケースの中に展示されています。
船長さんへの感謝のメッセージや、ジャングルクルーズでの体験をイラストにしたものなど、バラエティに富んでいて見ていて飽きません。
ここには東京ディズニーシーの「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタルスカルの魔宮」と関係のある本もあります。
ぜひ探してみてください。
その4 船長さんたちのDJが聞ける!
キューラインには新しくラジオ放送が流れるようになりました。といっても、普通のラジオではなくジャングルクルーズの船長さんたちがDJを務めるオリジナルなラジオ放送です。
当日のジャングルの様子や注意事項など、役に立ちそうな情報がいっぱいありそうです。
トゥーンタウンで流れているトゥーンタウン・ラジオショーを思わせる楽しい放送です。
その5 注意書きの看板が楽しくなった!
船着き場の近くに行くと、クルーズ中にこういうことをしてはいけません、という禁止事項を描いた看板がいろいろ並んでいます。
「蝶々を捕ってはいけません」というようなまともなイラストがあるかと思えば、「カバの歯を磨いてはいけません」「ワニと一緒に泳いではいけません」」というようなジョークっぽいイラストのものもあって、なかなか楽しめます。
その6 船着き場が増えた!
クルーズ探検のボートに乗る船着き場が、2つになりました。
今までの乗り場の手前にもう1か所乗り場ができたために、列の進むスピードはかなり早くなりました。
リニューアルで大幅にゲストが増えたジャングルクルーズですが、このおかげで、あまり長時間待たされるということはなくなりそうです。
その7 船が変わった!
ボートも全面的にリニューアルしました。
ジャングルクルーズのボートは、開園当初はポスターなどに今も残る白いキャンバス地に赤や青のストライプの屋根のもので、操縦席には火薬を詰めた拳銃が装備されていました。
2000年頃にボートのリニューアルが行われ、それぞれのボートには持ち主がいて、画家ならば絵の具や絵筆、医者ならば白衣や医療品という具合に、それにあった小物が船内に置かれるようになりました。
この時、操縦席の拳銃は火薬ではなく、録音された音声で発砲音を出すものにチェンジされました。
屋根の素材もカーキ色っぽいリアルなものに変更されたのがそのころです。
今度のリニューアルでは、ボートの船体がレッド、ブルー、グリーンとカラフルになり、屋根の色もそれと同色になりました。
カバを追い払うのに使っていた拳銃は姿を消してしまいましたが、その代わりに動物をかたどったお守りが吊されるようになりました。
このお守り、拳銃よりもすごい威力を発揮することが乗ってみるとわかるんです。
ジャングルクルーズ好きの人の間では有名な話なのですが、2000年のリニューアルの時に赤と白のストライプの屋根のままだった船が1隻だけあるのです。
この船に乗れたらラッキーというおまじない効果もあって、人気の船でした。
ボルタ・ヴァル号というのがその船の名前ですが、今回もリニューアルはされずに開園以来の赤白ストライプで運航中です。
乗れたらさらにラッキーかもしれませんね。
その8 BGMがついた!
今回のリニューアルの目玉のひとつは、オリジナルのBGMがつくようになったことです。世界には、アナハイム、オーランド、東京、香港と4つのディズニーパークにジャングルクルーズがありますが、オリジナルBGMがついたのは東京ディズニーランドが初めてです。
今までのジャングルクルーズは鳥の鳴き声や獣のうなり声、原住民の太鼓といった自然な音の中でリアルなジャングル探検を楽しむという雰囲気でした。
これに対して新しいジャングルクルーズでは、全行程にわたってその場にぴったりのBGMが流れます。
今までのジャングルクルーズがジャングル探検のドキュメンタリーだとしたら、新しいジャングルクルーズは、秘境探検映画の登場人物になった感じです。
オリジナル曲だけではなく、誰もが知っているディズニーの名曲も聞こえてきたりして、目で見るだけでなく、聞く楽しみも増えました。
陽気な船長さんのおしゃべりに集中しすぎてお聞きのがしのないように。
その9 船長さんのおしゃべりが変わった!
ジャングルクルーズの楽しみのひとつは船長さん(スキッパー)の楽しいおしゃべり。「アラジン」のジーニーの声を担当していたロビン・ウィリアムスや、「ファンタジア2000」のホストを務めたスティーブ・マーティンといった、しゃべり芸が得意なハリウッド・スターも、若いころはジャングルクルーズのスキッパーをした経験があるそうです。
30年間変わらなかったジャングルクルーズがいつでも人気なのは、毎回変わる船長さんのおしゃべりがあればこそ。
定番のギャグや自虐ネタも入ったこのおしゃべりも、リニューアルにあわせて大きく変更になりました。
新しくなった要素に合わせただけではなく、前のジャングルクルーズを知っていればより楽しめるジョークもあったりするので、じっくり耳をかたむけましょう。
その10 ゴリラが発砲!
今までのジャングルクルーズでは人間がカバに銃を発砲していましたが、今度はゴリラが銃を発砲します。
探険隊のキャンプをゴリラが襲っている場面で、銃を持ったゴリラが川面に浮かんだ樽めがけて銃を発砲します。
しかも、その樽は火薬の樽らしいスリリングなひととき。
最近リバイバルしている「猿の惑星」を思わせるシーンが誕生しました。
その11 ゴリラがバナナを!
仲の良いゴリラとワニが、手と口でじゃんけんぽん。ゴリラがグーでワニがチョキ。
というのは、ゴリラ対ワニの場面の定番ギャグでしたが、リニューアルされてこの二頭はじゃんけんをやめてしまったようです。
その代わりにゴリラが手にした木の枝で水面に浮かぶバナナを取ろうとしているのをワニが狙っているような場面になりました。
その12 リアル「ライオン・キング」登場!
ライオンの一家が獲物のシマウマを食べている場面。
以前は「これも厳しいジャングルの掟」という弱肉強食理論で語られていたのですが、「ライオン・キング」の影響でしょうか、解説もジョークめかした笑えるものになりました。
そして、ここで流れるBGMには、みんなが知っているあの曲も流れます。
その13 ニシキヘビがアナコンダに!
ジャングル・クルーズの隠れた名物が隠れミッキーが模様になっているニシキヘビでした。
以前はクルーズの終わり近く、セールスマンのサムの近くで水牛のこどもを狙っていたのですが、リニューアル後はワニの兄弟スマイリー・ブラザースの次に登場するようになりました。
体の色もブラウン系からグリーン系に変わって、アナコンダに変身したようです。
ミッキーフェイスが健在かどうか、じっくり確かめてください。
その14 カバの池にスモーク!
カバの群れが棲む池にはスモークの効果が追加されました。
立ちこめる霧の中からいつカバが出現するか、ちょっとスリリングなシーンになっています。
実はワニもかなわないといわれる水中最強の猛獣はカバなのです。
以前のジャングルクルーズでは、銃を発砲して追い払っていましたが、今度の船には銃は装備されていません。
お守りの呪文を唱え、カバを起こらせないように、息を潜めて通り抜けましょう。
その15 神秘の神殿で奇跡が起きる!
ボートはジャングルの神を祀るといわれてる神殿に入ります。今回のリニューアルでいちばん大きく変わったのはここでしょう。
船長の合図で乗客が声をそろえて呪文を唱えると、廃墟がいにしえの輝きを取り戻します。
ここではシンデレラ城の夜のショー「ワンス・アポン・ア・タイム」に使われているのと同じ、プロジェクション・マッピングで、今までみたことのないような幻想的なシーンが目の前に現れます。
BGMの効果とあいまって、まるでインディ・ジョーンズの映画の中に入ったような気分になります。
その16 ゾウの水浴び場がさらに楽しく!
インドゾウの群れが水遊びをする遊ぶ水浴び場。
以前も、ちょっと緊張する猿の神殿のあとで、ほっとする雰囲気だったのですが、リニューアル後は軽快なBGMともあいまって、さらに楽しく明るく踊り出したいようなシーンになりました。
ここではリズムに合わせて手拍子するのがお約束です。
オニバスのような植物も増えて、アジアの密林らしさもアップしています。
その17 サムが商売替え!
長いクルーズの最後に登場するおなじみやり手セールスマンのサムもリニューアルをしました。
サムは、オープンから長い間は、人間の干し首を売っていたのですが、ボートがリニューアルされた頃から、バナナなどのフルーツを売るようになりました。
干し首では借金を返せなかったのでしょう。
そのサムが、新たに売るようになったのは、お守り。
そうです、クルーズのボートに吊してあった霊験あらたかなお守りは、このサムが売っているものだったのです。
その18 ボートを固定する装置が登場!
新しくボートを船着き場に自動的に固定する装置が採用されました。キャストがボートにロープをかけてスイッチを入れると、ロープが巻き上げられて船体が船着き場にしっかり固定されます。
ボートに乗る時は気づきにくいかもしれませんが、下りる時に見ているとよくわかります。
この装置のおかげで、乗り降りが非常にスムーズになりました。
その19 昼と夜で内容が変わった!
新しいジャングル・クルーズの最大のセールス・ポイントは夜間に行われるナイトクルーズが加わったことでしょう。以前は、夜になっても内容は変わりませんでしたから、船長が照らす照明で暗いジャングルを進むという、ムードはあるもののちょっと物足りないのが夜間のジャングルクルーズでした。
そのためか、夜も遅くなると待ち時間0分どころか、人数が揃うまでボートで待機というようなこともある、夜は人気薄のアトラクションだったのです。
今回のリニューアルでは、コースは同じですが昼と夜とで情景がガラリと変わるため、日が暮れても長蛇の列ができるようになっています。
昼と夜の2回乗って、その違いを確かめてみてください。
さて、昼と夜のクルーズはいつ入れ替わるのかというと、もちろん日没の時間によって変わるのですが、目安としてはパーク内の街灯がつくと夜のクルーズになるようです。
この、街灯がつくと夜になるというのはジャングルクルーズだけではなく、一足先にナイトクルーズを始めた蒸気船マーク・トゥエイン号でも同じです。
また、キャストのあいさつも外の照明がつくと「こんにちは」から「こんばんは」に変わります。
その20 ボートにライトが増えた!
夜のクルーズになると、ボートが前方についたライトを点灯させていたのは昔のジャングルクルーズ。新しいボートには左右にもライトがついて、今までよりはるかに情景をみやすくなりました。
もちろん、必要のない場所ではライトを消して、夜のジャングルの雰囲気も味合わせてくれます。
その21 ホタルが光る、目も光る!
夜のジャングルクルーズで、最初にすごいと思わせるのは暗闇に輝くホタルの群れです。ジャングルのそこかしこで点滅するホタルの光は幻想的ともいえる雰囲気をかもし出します。
光るのはホタルだけではありません。
夜のジャングルでゲストを狙う野生動物の目もランランと光るようになりました。
その22 見どころの場面はライトアップ!
シマウマを食べるライオン一家とそれを遠巻きに見守る動物たち、探険隊のキャンプを荒らすゴリラたち、水浴びをするゾウたち、といった見せ場のシーンがライトアップされるようになりました。ただ明るいのではなく、その場の情景にあったライティングで夜のジャングルのムードをさらに盛り上げます。
ゾウの水遊び場の滝は、照明の色もあざやかに変化していきます。
まとめ
リニューアルされてさらに魅力的に楽しくなったジャングルクルーズ、変わったところはまだまだありそうです。次はあなたが探し出してください。
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